コム朝日記

廉価食パンについての哲学

任意処分の限界

Q.最決昭51・3・16〔風船やってからでいいではないか事件〕は,任意処分の限界についてどのように判示していますか?

 昭和51年決定は,「強制処分にあたらない有形力の行使であっても,何らかの法益を侵害し又は侵害するおそれがあるのであるから,状況のいかんを問わず常に許容されるものと解するのは相当でなく,必要性,緊急性などをも考慮したうえ,具体的状況のもとで相当と認められる限度において許容されるものと解すべきである」と判示しています。
 これは,任意処分に伴う法益侵害の性質・程度と,当該処分の必要性・緊急性の衡量により導かれる「相当性」が認められる限度において適法とする基準であると考えられます。
 任意処分においてもこのような留保が要求されるのは,197条1項本文を根拠とする捜査比例の原則がはたらいているからです。

Q.昭和51年決定の枠組みを前提として,具体的なあてはめはどのように行えばよいのでしょうか?