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コム朝日記

廉価食パンについての哲学

共同不法行為

民法719条1項

 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは,各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う

 共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも,同様とする。

要件論

 「共同の不法行為」の解釈上,次の点が問題となる。

  • 加害者間に共通もしくは共同の認識のあることは必要か。客観的な関連共同で足りるか。
  • 各加害者の行為と被害者の受けた損害との間に因果関係が認められることを要するか。

関連共同の程度

最判32年3月26日

民法七一九条一項前段の共同の不法行為が成立するためには、不法行為者間に意思の共通(共謀)もしくは「共同の認識」を要せず、単に客観的に権利侵害が共同になされるを以て足りると解すべきである」

  法が709条のほかに719条を設けて被害者保護を図った趣旨から導かれる。

各行為との因果関係

最判昭和43年4月23日

「共同行為者各自の行為が客観的に関連し共同して違法に損害を加えた場合において、各自の行為がそれぞれ独立に不法行為の要件を備えるときは、各自が右違法な加害行為と相当因果関係にある損害についてその賠償の責に任ずべきであ(る。)」

 判例は必ずしも各加害者の行為と損害との間に因果関係を要求するものではないと分析し,通説との両立を示唆するものとして,《山王川事件・再考 - 司法試験対策ノート - Seesaa Wiki(ウィキ)》。

 

貞友・LIVE112頁

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効果論

 共同不法行為が成立する場合の効果,すなわち各加害者の負う責任の内容・求償の可否が問題となる。

  • 「連帯してその損害を賠償する責任」とは,通常の連帯債務か,不真正連帯債務か。
  • 加害者間の求償権は認めらるか。その内容・行使方法はどうなるか。

「連帯」責任の性質

最判昭57年3月4日

民法七一九条所定の共同不法行為者が負担する損害賠償債務は、いわゆる不真正連帯債務であつて連帯債務ではないから、右損害賠償債務については連帯債務に関する同法四三四条の規定は適用されないものと解するのが相当であり(最高裁昭和四三年(オ)第四三一号同四八年二月一六日第二小法廷判決・民集二七巻一号九九頁、最高裁昭和四六年(オ)第一一〇九号同四八年一月三〇日第三小法廷判決・裁判集民事一〇八号一一九頁参照)、右の共同不法行為が行為者の共謀にかかる場合であつても、これと結論を異にすべき理由はない。」

 実質的理由として,絶対的効力事由(437条)の適用排除により,被害者の救済が厚くなる点が挙げられる。理論的理由として,共同不法行為のうち主観的関連共同性がない場合には,債務者相互の関係は希薄であり,絶対的効力事由を適用する基礎が欠ける点が挙げられる(大村・新基本民法6,105頁)

 

求償権

 不真正連帯債務関係は,被害者との関係で,各行為者の負う債務の性質を規律するにとどまり,各行為者間の求償関係について規律するものではない(行為者内部における求償を観念する余地あり)。

 損害の公平な分担,という不法行為制度の趣旨からすれば,各行為者の寄与度に応じて各負担部分を認定し,その負担部分について求償を認めるべきである。

 

 ※求償権の条文上の根拠としては,442条の適用あるいは類推適用ということになるのか?

 ※719条1項後段の場合,加害者間の過失割合の認定は不可能ではないか。それゆえに,過失割合に応じた求償権も観念できないのではないか。