法学
【最判昭56・9・24】 Q.最高裁は,口頭弁論再開における裁判所の裁量について,どのように考えているのでしょうか? 民訴法153条は「裁判所は,終結した口頭弁論の再開を命ずることができる」と規定しています。「できる」という文言は,最高裁が「いつた…
Q.刑法109条2項,110条において要求されている「公共の危険」とはなんですか? 放火から生じる危険は,(ア)焼損された建造物の内部にいる人に対する危険,(イ)焼損された物の外部にいる人・物に対して生じる危険に分けられます。対人被害を前提としない1…
★人の身体に対する捜索 東京高判平6・5・11によれば「場所に対する捜索差押許可状の効力は,当該捜索すべき場所に現在する者が当該差し押さえるべき物をその着衣・身体に隠匿所持していると疑うに足りる相当な理由があり,許可状の目的とする差押を有効に実…
Q.刑訴法上,再逮捕はおよそ可能なものとされているのでしょうか? 刑訴法199条3項は,「同一の犯罪事実についてその被疑者に対し前に逮捕状の請求又はその発布があったときは,その旨を裁判所に通知しなければならない」としており,同一の犯罪事実について…
Q.逮捕手続に違法がある場合,それに引き続く勾留請求は却下されるのでしょうか? 刑訴法207条5項ただし書きは,206条2項の規定により勾留状を発することができない場合には勾留請求が却下されることを定めています。 206条2項では,203条から205条までの制…
*古江54頁以下で議論されている整理の枠組みによっています。
<米子銀行強盗事件の判断枠組み>
*別冊法学セミナー司法試験問題解説2015における南川教授の解説を参考にしました。 Q.行政規則の法的性質を明らかにすることには,どのような意味があるのでしょうか? 行政規則は,法律に基づく政省令等の法規命令によって処分の要件として規定される場合…
【会社百選3版29事件】最判平24・4・24 *本判例と類似の事例に関する問題が,平成27年司法試験論文式民事系第2問〔設問3〕において出題されています。 *別冊法学セミナー司法試験の問題と解説2015における大杉謙一教授の解説を参考としました。 Q.新株予約…
Q.最決昭51・3・16〔風船やってからでいいではないか事件〕は,任意処分の限界についてどのように判示していますか? 昭和51年決定は,「強制処分にあたらない有形力の行使であっても,何らかの法益を侵害し又は侵害するおそれがあるのであるから,状況…
Q.刑訴法197条1項ただし書「強制の処分」とは,どのようなものでしょうか。 井上正仁教授は,「相手方の明示または黙示の意思に反して,重要な権利・利益を実質的に侵害する処分」という定義を示されています。 Q.最決昭51・3・16〔風船やってからでい…
Q.刑訴法上,現行犯逮捕の要件・効果はどのように規定されていますか? 刑訴法212条1項は「現に罪を行い,又は現に罪を行い終わった者を現行犯人とする」と規定しています。したがって,被逮捕者が「現に罪を行」っていること,または「現に罪を行い終わった…
Q.情況証拠を総合して犯罪事実を認定する場合の立証の程度としては,どのようなものが求められるのでしょうか? 最判平22・4・27(大阪母子殺害事件)は,次のように判示しています。 刑事裁判における有罪の認定に当たっては,合理的な疑いを差し挟む…
Q.他人が勝手に私の定期預金を担保とする貸付を申し込んでしまったようです。銀行はそのことを伝えてくるとともに,預金と貸付金を相殺すると通知してきました。銀行は,相殺の時点では預金担保貸付が私の意思に基づくものでないことを知っていたのですから…
Q.事業譲渡と会社分割はどう異なるのでしょうか? 事業に含まれる権利義務については、事業譲渡では個別の移転手続が必要であるのに対し、会社分割で個別の移転手続が不要となります。 債務の移転についても、事業譲渡では債権者の承諾が必要であるのに対し…
Q.私(X)が加入している生命保険会社の契約者貸付制度に基づいて,Yが私の代理人と称して勝手に貸付けを受けてしまいました。私の保険金・解約返戻金支払請求権は消滅してしまうのでしょうか? 契約者貸付制度に基づく貸付が,478条の「弁済」に該当すると…
Q.再審請求の理由にはどんなものがありますか? 再審請求理由は,刑訴法435条に列挙されています。 なかでも,6号の,無罪等を認めるべき明らかな新証拠を発見したことを利用する「ノヴァ型」による再審請求が大多数です。 Q.435条6号は,どんなときに満たさ…
★欠陥住宅事件最判平9・2・14民事判例の読み方・事例1 ★接合シボレーオークション事件最判平21・7・17民事判例の読み方・事例3 Q.錯誤無効が認められる場合,履行済みの各給付は同時履行関係に立ちますか? 双務契約上の債務については,明文で同時履行関係…
Q.無権限で預金を払戻した者に対する,預金債権者からの不当利得返還請求訴訟において,被告が「払戻しに準占有者弁済は成立しないから,預金債権は失われていない」と主張することはできますか? 【最判平16・10・26】 X:原告,Y:被告,B:金融機関 「Yは…
Q.不当利得として返還請求できるところの金銭を「損害」として不法行為に基づく賠償請求をすることが認められるのはなぜでしょうか? その金銭について,不当利得として返還請求ができるならば,不法行為による「損害」が生じていないことになるではないか,…
Q.判例は,代償請求権についてどのように定義していますか? 最判昭41・12・23は,「一般に履行不能を生ぜしめたと同一の原因によって,債務者が履行の目的物の代償と考えられる利益を取得した場合には,公平の観念にもとづき,債権者において債務者に対し,…
〔旧司法試験平成8年民法第1問〕 Aは、Bに対する債務を担保するため、自己所有の甲建物に抵当権を設定し、その旨の登記を経由した。その後、Aは、Cに甲建物を売却したが、Cへの所有権移転登記を経由する前に、Dの放火により甲建物が全焼した。 この場…
Q.会社法467条1項1号2号にいう「事業」は,判例上どう定義されていますか? 判例上は,次のように定義されています。 「 営業そのものの全部または重要な一部を譲渡すること、詳言すれば、一定の営業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産(得…
Q.修補に代わる損害賠償(634条2項)が選択された場合,請負人は,損害賠償債権を受働債権,請負代金債権を自働債権とする相殺ができるのですか。 Q.相殺がされない場合,634条2項後段によれば両債権は同時履行関係となりますが,注文主は請負代金全額との同…
A社団法人の事務・事業をその理事Bが行うにつき、Bの過失によりCが損害を被った場合において、責任の性質を踏まえながら、AのCに対する不法行為責任、BのCに対する不法行為責任、AがCに損害を賠償した場合におけるAのBに対する求償の可否・範囲…
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