コム朝日記

廉価食パンについての哲学

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

共謀共同正犯

枠組み 共同正犯(刑法60条)の法効果である一部実行・全部責任の根拠は,当該犯罪を,❶自らの犯罪として,❷共犯者と相互に利用・補充し合って実現する点に求められる。 とすれば,形式的には実行行為そのものを行っていない者であっても,①当該犯罪を共同実…

出資の履行の仮装

払込みの有無(仮装性) 最三小判平3・2・28〔会社百選103〕 前記認定によれば、右1ないし3の各払込は、いずれもAの主導の下に行われ、当初から真実の株式の払込みとして会社資金を確保させる意図はなく、名目的な引受人がA自身あるいは他から短期間借り…

河本フォーミュラ

手形法 【人的抗弁の制限】 第17条 為替手形に依り請求を受けたる者は振出人其の他所持人の前者に対する人的関係に基く抗弁を以て所持人に対抗することを得ず 但し所持人が其の債務者を害することを知りて手形を取得したるときは此の限に在らず 定義 「債務…

役員等の善管注意義務違反の認定

① 取締役の具体的な義務の認定 取締役の任務(423条。または「職務」429条)の内容は,法令により定まるとともに,会社の各取締役の間の任用契約により定まる(実務的には,取締役間での職務の分掌・役割分担により各人の主な担当領域が定まる。363条1項を参…

犯行計画メモ―東京高判平20・3・27

東京高等裁判所 平成18年(う)第2725号 爆発物取締罰則違反事件 平成20年3月27日 *法教363-133〔演習刑訴・渡辺咲子〕 論旨は,原裁判所は,検察官が,本件各メモを「両アジトで押収したメモの存在・内容等」との立証趣旨で,捜査報告書…を「中…

身体拘束の諸問題

総論 1 逮捕・勾留の単位 〔事件単位説〕 身体拘束の基本原理である令状主義(憲法33条)は,「理由となっている犯罪を明示する令状」を要求し,それに基づき刑訴法200条1項,207条1項・64条が被疑事実の要旨及び罪名を令状に記載することを要求しているこ…

包括一罪

包括一罪は,複数の犯罪が成立するようにみえるが,包括的な評価により全体が一罪として処断される場合をいう(条解刑法)。 包括一罪の根拠は,①行為の一体性,及び②法益侵害の一体性に求められる。 ①行為の一体性により,複数の意思決定・行為により法益を…

違法収集証拠排除法則

排除法則の導出・排除基準 最判昭53・9・7 違法に収集された証拠物の証拠能力については、憲法及び刑訴法になんらの規定もおかれていないので、この問題は、刑訴法の解釈に委ねられているものと解するのが相当であるところ、刑訴法は、「刑事事件につき、公…

株主提案権

議題提案の適法性 まずは,303条の定める形式要件(行使期間制限,持株要件)をクリアしていることが要求される。 形式要件をクリアしたうえで,当該議題が「議決権を行使することができる事項」の範囲に含まれているかが問題となる。ここでは,(A)請求を…