2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧
【最判昭56・9・24】 Q.最高裁は,口頭弁論再開における裁判所の裁量について,どのように考えているのでしょうか? 民訴法153条は「裁判所は,終結した口頭弁論の再開を命ずることができる」と規定しています。「できる」という文言は,最高裁が「いつた…
Q.刑法109条2項,110条において要求されている「公共の危険」とはなんですか? 放火から生じる危険は,(ア)焼損された建造物の内部にいる人に対する危険,(イ)焼損された物の外部にいる人・物に対して生じる危険に分けられます。対人被害を前提としない1…
★人の身体に対する捜索 東京高判平6・5・11によれば「場所に対する捜索差押許可状の効力は,当該捜索すべき場所に現在する者が当該差し押さえるべき物をその着衣・身体に隠匿所持していると疑うに足りる相当な理由があり,許可状の目的とする差押を有効に実…
Q.刑訴法上,再逮捕はおよそ可能なものとされているのでしょうか? 刑訴法199条3項は,「同一の犯罪事実についてその被疑者に対し前に逮捕状の請求又はその発布があったときは,その旨を裁判所に通知しなければならない」としており,同一の犯罪事実について…
Q.逮捕手続に違法がある場合,それに引き続く勾留請求は却下されるのでしょうか? 刑訴法207条5項ただし書きは,206条2項の規定により勾留状を発することができない場合には勾留請求が却下されることを定めています。 206条2項では,203条から205条までの制…
*古江54頁以下で議論されている整理の枠組みによっています。
<米子銀行強盗事件の判断枠組み>
*別冊法学セミナー司法試験問題解説2015における南川教授の解説を参考にしました。 Q.行政規則の法的性質を明らかにすることには,どのような意味があるのでしょうか? 行政規則は,法律に基づく政省令等の法規命令によって処分の要件として規定される場合…
【会社百選3版29事件】最判平24・4・24 *本判例と類似の事例に関する問題が,平成27年司法試験論文式民事系第2問〔設問3〕において出題されています。 *別冊法学セミナー司法試験の問題と解説2015における大杉謙一教授の解説を参考としました。 Q.新株予約…
Q.最決昭51・3・16〔風船やってからでいいではないか事件〕は,任意処分の限界についてどのように判示していますか? 昭和51年決定は,「強制処分にあたらない有形力の行使であっても,何らかの法益を侵害し又は侵害するおそれがあるのであるから,状況…
Q.刑訴法197条1項ただし書「強制の処分」とは,どのようなものでしょうか。 井上正仁教授は,「相手方の明示または黙示の意思に反して,重要な権利・利益を実質的に侵害する処分」という定義を示されています。 Q.最決昭51・3・16〔風船やってからでい…
Q.刑訴法上,現行犯逮捕の要件・効果はどのように規定されていますか? 刑訴法212条1項は「現に罪を行い,又は現に罪を行い終わった者を現行犯人とする」と規定しています。したがって,被逮捕者が「現に罪を行」っていること,または「現に罪を行い終わった…
Q.情況証拠を総合して犯罪事実を認定する場合の立証の程度としては,どのようなものが求められるのでしょうか? 最判平22・4・27(大阪母子殺害事件)は,次のように判示しています。 刑事裁判における有罪の認定に当たっては,合理的な疑いを差し挟む…