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コム朝日記

廉価食パンについての哲学

令状yによる捜索の範囲

法学 刑事訴訟法

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人の身体に対する捜索

 東京高判平6・5・11によれば「場所に対する捜索差押許可状の効力は,当該捜索すべき場所に現在する者が当該差し押さえるべき物をその着衣・身体に隠匿所持していると疑うに足りる相当な理由があり,許可状の目的とする差押を有効に実現するためにはその者の着衣・身体を捜索する必要が認められる具体的な状況の下においては,その者の着衣・身体にも及ぶと解するのが相当である」と判示し,場所に対する令状の効力として人の身体に対する捜索が可能である余地を示しています。
 しかし,川出教授は,「そのような事実によって,両者が持つ利益の異質性が解消されるわけではない」(百選7版49頁)として,上記の処理に反対しています。
 東京高判平6の処理によらない場合,捜索場所に居合わせた者が,捜索中または捜索の開始直前に,捜索場所にあった捜索の対象物あるいは差押え目的物を身体・携帯物に隠匿した疑いが十分にあるときは,捜索・差押えの「必要な処分」(222条1項・111条1項本文)として,妨害行為を排除して原状に回復するために,合理的に見て必要かつ相当な処分を行うことができると解釈することによって,着衣・携帯物に隠匿された物を取り出すことができることになります。

 

*最決平6・9・8刑訴百選7版48頁(川出),古江107頁以下を参照しました。