〈 onlythegoodyoung.hatenablog.com 〉 【回答】 第1.AD間の法律関係 1.結論 DはBから本件建物の所有権を承継取得している。Aは,Bに対する弁済の提供以後自主占有を開始しているので,その時点から20年を経過していれば本件建物の所有権を原始…
1 どの表見代理規定を用いることが可能か 112条(代理権消滅後の表見代理)は、有効に成立した代理権が消滅した後に、代理行為がなされた場合の規定であって、代理行為後に授権行為が取消された場面においては適用できない。 109条(代理権授与の表示による…
《出題趣旨》 設問1は,Q県が都市計画を変更せずに存続させていること(以下,単に「計画の存続」という。)の適法性を争うために,Pがどのような行政訴訟を提起できるかを考える前提として,都市計画決定の処分性を検討させる問題である。全体としては,…
最判昭和44年12月18日は,「民法761条にいう日常の家事に関する法律行為」の意義について,それが「個々の夫婦がそれぞれの共同生活を営むうえにおいて通常必要な法律行為」を指すことを理由として,「その具体的範囲は,個々の夫婦の社会的地位,職業,資産…
物の所有者による回復請求 民法193条・194条は、即時取得制度(192条)を前提として、所有者と現占有者との利益調整を図る趣旨を含むと考えられる。したがって、「被害者又は遺失者」には、当該物の所有者が含まれると考える。 もっとも、即時取得制度が、所…
甲:実行者(強盗の故意)→強盗未遂乙:謀議関与者(窃盗の故意) 1 共謀の内容窃盗 2 共謀の射程窃盗を内容とする共謀と、実際の実行行為(強盗未遂)及びその結果との間に心理的因果性があれば、共謀の射程が及ぶ。→共謀の射程が共謀の内容を超えた場合…
民法719条1項 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは,各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。 共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも,同様とする。 要件論 「共同の不法行為」の解釈上,次の…
① 既存の株式の全部を全部取得条項付種類株式とするための定款決議変更決議(会社466条・309条2項11号)→既存株主は全員,全部取得条項付種類株式の株主となる 108条2項7号所定の事項を定める定款変更によって,当然に,既存の株式の全部が全部取得条項付種…
甲は、乙に対し、甲の所有する土地Aの登記済証、実印等を預けて長期間放置していたところ、乙は、土地Aにつき、勝手に自己名義に所有権移転登記をしたのち、丙に対する自己の債務を担保するため抵当権を設定し、その旨の登記を了した。その後、乙は、土地Aを丁…
純粋補助事実とは,自己矛盾供述と異なり,その内容において主要事実・間接事実に関わりがなく,もっぱら証明力を左右するにとどまるものをいう。例として,供述者の性格,能力,偏見,利害関係,目撃現場での所在の有無等が挙げられる。 【例】 証人Aの公判…
暴行の程度 強盗罪における暴行にあたるかどうかは,「社会通念上,一般に被害者の反抗を抑圧するに足る程度のものであるかどうかという客観的基準により決せられる」(最判昭和24年2月8日)。 反抗抑圧するに足る暴行の判断においては,被害者が現実に…
急迫性 「急迫」とは、法益の侵害が間近に押し迫つたことすなわち法益侵害の危険が緊迫したことを意味するのであって、被害の現在性を意味するものではない(最判S24・8・18刑集3-9-1465)。現に被害にあうのを待たねばならない道理はないからである。 〈類…
法的因果関係は,当該行為が結果を引き起こしたことを理由に,より重い刑法的評価を加えることが可能なほどの関係が認められ得るかという,法的評価の問題である。 そこで,因果関係は,当該行為が内包する危険が,結果として現実化したかという観点から決す…
公務 現に執行している職務に限定される。 ※「現に」という限定が付される点で,業務妨害罪の「業務」が「具体的個々の現実に執行している業務の みに止まらず、広く被害者の当該業務における 地位に鑑みその任として遂行すべき業務も含む (最判S28・1・30…
強制わいせつ罪の「わいせつな行為」 ①徒らに性欲を興奮又は刺戟せしめ、且つ②普通人の正常な性的羞恥心を害し③善良な性的道義観念に反すること(大阪高判S29・11・30など) 客観的構成要件該当性の問題であるから,②の基準は一般人である。 ※迷惑防止条例に…
枠組み 共同正犯(刑法60条)の法効果である一部実行・全部責任の根拠は,当該犯罪を,❶自らの犯罪として,❷共犯者と相互に利用・補充し合って実現する点に求められる。 とすれば,形式的には実行行為そのものを行っていない者であっても,①当該犯罪を共同実…
払込みの有無(仮装性) 最三小判平3・2・28〔会社百選103〕 前記認定によれば、右1ないし3の各払込は、いずれもAの主導の下に行われ、当初から真実の株式の払込みとして会社資金を確保させる意図はなく、名目的な引受人がA自身あるいは他から短期間借り…
手形法 【人的抗弁の制限】 第17条 為替手形に依り請求を受けたる者は振出人其の他所持人の前者に対する人的関係に基く抗弁を以て所持人に対抗することを得ず 但し所持人が其の債務者を害することを知りて手形を取得したるときは此の限に在らず 定義 「債務…
① 取締役の具体的な義務の認定 取締役の任務(423条。または「職務」429条)の内容は,法令により定まるとともに,会社の各取締役の間の任用契約により定まる(実務的には,取締役間での職務の分掌・役割分担により各人の主な担当領域が定まる。363条1項を参…
東京高等裁判所 平成18年(う)第2725号 爆発物取締罰則違反事件 平成20年3月27日 *法教363-133〔演習刑訴・渡辺咲子〕 論旨は,原裁判所は,検察官が,本件各メモを「両アジトで押収したメモの存在・内容等」との立証趣旨で,捜査報告書…を「中…
総論 1 逮捕・勾留の単位 〔事件単位説〕 身体拘束の基本原理である令状主義(憲法33条)は,「理由となっている犯罪を明示する令状」を要求し,それに基づき刑訴法200条1項,207条1項・64条が被疑事実の要旨及び罪名を令状に記載することを要求しているこ…
包括一罪は,複数の犯罪が成立するようにみえるが,包括的な評価により全体が一罪として処断される場合をいう(条解刑法)。 包括一罪の根拠は,①行為の一体性,及び②法益侵害の一体性に求められる。 ①行為の一体性により,複数の意思決定・行為により法益を…
排除法則の導出・排除基準 最判昭53・9・7 違法に収集された証拠物の証拠能力については、憲法及び刑訴法になんらの規定もおかれていないので、この問題は、刑訴法の解釈に委ねられているものと解するのが相当であるところ、刑訴法は、「刑事事件につき、公…
議題提案の適法性 まずは,303条の定める形式要件(行使期間制限,持株要件)をクリアしていることが要求される。 形式要件をクリアしたうえで,当該議題が「議決権を行使することができる事項」の範囲に含まれているかが問題となる。ここでは,(A)請求を…